IE9ピン留め
「千本日活」
僕の住む上京区には古い古い映画館がある。

最近仲良くなった近所に住むおじちゃん(猫13匹を飼育!)によれば、
この地区は昔映画館やらストリップ劇場で溢れていて、西陣織の発展と一緒に大衆文化が発展してったそうな。
しかも、1897年、日本で初めてシネマトグラフが上映された映画館がうちから徒歩5分のところにある。
映画館の名前は「千本日活」。



そこにさっきカメラを持って散歩がてら行ってきた。
当時はまともな映画を上映していたらしいが、今はすっかりピンク色に染まっている。
以前に何度か前を通ったことがあるが、いつ見てもショーウィンドウには、
「うぶ肌がくねる夜」だとか「溺れた恥縁」、「農婦の危険な性欲」などというタイトルに、
上半身裸の女性がポスターに写っている。

そんな「よい子は見ちゃダメ!」的な空気を漂わせている場所で、
ガラスの扉を行き来するおじさんたちを引き絵で撮っていたら、
「写真かえ?」と、ノッポさんの帽子をかぶったおじさんに話しかけられた。
靴は先のとがったエナメルの黒い靴。足下だけヨーロピアンだ。
大半の歯が抜け落ちているのか、彼は「あむあむ」と話しだした。

「あんまも一度入ってみるといい。だけどな、気をつけな触られっぞ。」

「え、触られるんですか?」

「土日は人が多いさかい。平日にきたらいいぞ。」

「あー平日に。」

「この前わっかい女の子が一人きててな、俺んとこよせとったわ。あんぶねえから。」

「ええ、一人でですか。何歳くらいの人でしたか?」

「にじゅー、24くれえかな。」

あんまり会話がかみ合っていなかったが、色んなことが分かった。

・オカマも来てる
・人が多い土日は触られる可能性大。平日に来るべき。
・客層は様々(若い男とおばさんのカップル、若い女性...etc)


最後に写真を撮らせてもらった。スナップみたいに。
上手く撮れてるといいな。

「僕も今度行ってみます。」

僕のその一言で、会話は終わった。

僕に背を向けて千本日活の入り口に向かうおじさん。
色々教えてくれてありがとう。またどこかで会えるといいな、あむあむおじさん。
が、その時だ。僕の視線がおじさんのかかとに向いた。擦り切れたエナメルの黒く細い棒が目に入る。
おじさんの履いている靴は、女性用のハイヒールだった。
オカマだったのかい、おじさん。
24歳の女性を自分に寄せる理由も分かったよ。
by robinsonade | 2009-11-07 15:41 | 映画
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